(元)ミステリー作家T・A  あさっての日記

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zoom RSS 検査入院での珍談

<<   作成日時 : 2013/05/02 12:05   >>

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4月18日から20日まで、慶應病院の循環器内科に検査入院してきました。
といっても、べつにまた大病しそうだというわけではありませんので、ご心配なく。ただ、どういうわけか、私は入院運(そんなもの、あるのか?)が良くて、入院するたびに、何かしらおもしろい体験をするんですねー。これはほんとに不思議です。

今回、検査を受けることになったのは、去年の暮れあたりから、ときどき胸にもやもやした不快感があることがあって、気になっていたからです。前回の検査からぼつぼつ2年になるので、そろそろ点検しておこうかということになりました。

検査は心臓にカテーテルを入れて血流や弁の動きを造影剤撮影するもの。2泊3日の短期入院です。
例によってビンボーな私は4人部屋に入りましたが、今回のサプライズは、隣のベッドにいらっしゃった患者さん。
最初の日、私が着替えなどを棚にしまっていると、お隣さんがパジャマ姿で出て来られました。七十歳くらいの、なかなか体格のよろしい方です。
にこやかに挨拶されて、そこでしばし、お互いの病気の話などを交わしました。私は6年前にバイパス手術を受けているので、その点検のためだと話しましたが、あちらは数年前に入れたペースメーカーの入れ替えだそうです。

そのときも、どこかで見たような人だなあ、と思ったのですが、あまり気にしないでいた。というのも、このブログでも何回か書いたように、私は人の顔を覚えるのが苦手なので、他人の顔についての記憶に自信がないからです。
2日目はこちらが検査当日でしたから、大してお話しすることもなく過ぎました。

そして3日め。血液検査の結果が良ければ退院してけっこうです、ということで、私はそれまですることがありません。で、お隣に話をしに行きました。あちらも今日の昼前には退院予定というので、のんびり荷造りなどしています。
四方山話をしているうち、
「私はちょっと変わった仕事に就いていたものだから……2ヶ月地方に行って、2ヶ月東京にいるという暮らしだったんですよ」
と先方がおっしゃいます。
「へえ、それは変わってますね。まるで旅役者かお相撲さんみたいですね」
私が合いの手を入れると、
「それですよ。日本相撲協会です」
「――えっ! お相撲さんだったんですか!」
びっくりしたのなんの。でも、たしかに体格は良い方ですが、力士だったと思えるほど大きいわけではありません。すると、お隣さんは手を振って、
「いやいや、レフェリーの方」
「というと……行司さん!?」
「そうなんです」
 と言って、名刺入れのなかから、若い頃のお写真を出して見せてくれました。見ると、行司の正装をしたりりしいお姿が。白足袋に雪駄を履いているから、幕内格以上の行司だということがわかります。
「で、どの辺の地位まで昇られたんですか?」
興味津々でお訊きすると、
「いちおう、伊之助まで行きました」
「……い、伊之助って、式守伊之助!?」

いやはや、これには驚いた。大相撲のことを知らない人でも、行司の最高名跡が木村庄之助と式守伊之助であることは耳にしたことがあると思います。力士でいえば、東と西の横綱という格ですね。じつは横綱の土俵を裁ける行司は、庄之助と伊之助だけなのです。歌舞伎なら団十郎と菊五郎、ミステリーでいうとクリスティとクイーンみたいなもの。まあクリスティやクイーンは名跡じゃありませんから、継いだ人はいませんけど。
まったくの無駄話ですけど、ミステリー作家も名跡制度にしたら、ちょっとおもしろい。「○○さんも社会派としては功績があるから、そろそろ二代目清張を名乗ってもいいのでは」とか「×野▲夫、三代目横溝正史襲名記念出版」とかあったら、そのつど侃々諤々でいろいろ楽しめそうです。

そんなことはともかく。
この伊之助さんは第34代で、上の人がつかえていたもので、伊之助を襲名した翌場所、65歳の定年になってしまったとか。結局、伊之助を名乗ったのは、ひと場所だけだったとおっしゃっていました。
「行司の世界は入門した順の年功序列だから、しかたないんですよ」
と笑っていらっしゃいますが、とはいえ、やはり伊之助になれるのは限られた人ですから、声の質や声量、体の捌き方、装束姿の美しさなど、卓抜な方だったのは違いありません。

しかも所属が阿佐ヶ谷にあった花籠部屋からスタートして、南阿佐ヶ谷の二子山部屋、中野新橋の(初代貴ノ花が開いた)藤島部屋、つまり今の貴乃花部屋と移ったというのですから、私にとっては地元ばかり。
ものすごくマニアックな地元話と特定のお相撲さんの話で、しばし盛り上がってしまいました。盛り上がっていたのはこちらだけかもしれませんが。

時代としては貴乃花時代から朝青龍が横綱になり、白鵬がどんどん上がって来るあたりまでを、幕内格・三役格行司として裁いてこられたとのこと。いや、奥深いお話を伺わせて頂きました。


今回の入院でもうひとつ、今までと違った体験だったのは、4月とあって、新人ナースの皆さんがいたこと。
みなさん、看護学校か、大学の看護学科を出て来たばかりだから、21歳か22歳の若いお嬢さん。かわいらしくて、初々しくて、じつに良いですなぁ…とオジサンは思ってしまいました。
私の2日目の担当が、新人さんだったのですが、何かするたびに「これでいいでしょうか」というように、指導役の先輩看護師さんを振り返るのが、なんとも微笑ましい。
「初心忘れるべからず」と言われますが、初めてその世界に足を踏み入れたときの謙虚さ、どんなことからでも学ぼうとする姿勢は、やはり忘れてはいけませんよね(…と書きながら、我が身を振り返ると恥ずかしくなりますが)。

新人さんの手つきはたどたどしいけれど、まことに丁寧です。ただ採血だけは怖いナーと思ってベテランさんに訊いたら、
「採血は新人ではできません。キャリアアップして、一定のレベルに達してからです」
とおっしゃっていました。そりゃそうだよね。

それと、今回、私の受けた検査は、カテーテルを太ももの付け根から血管に入れて心臓を撮影するものですから、例によって、下腹部の剃毛があります。
入院も何度も重なると、もはやお医者さんや看護師さんの前で、下腹部をさらすのもヘイチャラになりましたが、今回だけは、ちょっと困った。だって新人ナースですからねぇ。ついこないだまで、ふつうの学生さんだった女の子じゃありませんか。
さいわい、剃毛は男子の看護師さんがやってくれたので、やれやれと思っていたら、難関がもうひとつあった。
太ももからのカテーテルは、術後4時間から6時間、ベッドで安静なので、導尿管をつけることになります。膀胱まで尿管を入れる尿カテーテルと違って、外に装着するだけだから、痛くもなんともない。
それはいいんですが、装着するには、当然、イチモツをさらけださなければなりませぬ。

でも、たぶんまた男性看護師が来てくれるんだろうと思っていたら、なんと、器具を手に現れたのは、先ほどの新人さん&指導役の女性コンビ。せめて指導役のお姉さんにお願いしたい、との私の切なる訴え(必死にアイコンタクトを試みるも)は、あっさり無視され、とうとう新人さんの前で局部をさらす羽目になりました。

(ひょっとすると、この子にとっては、これが最初の○×▲処置かもしれないなぁ)
と思うと、第1号がこんなお粗末なモノで、なんとも申し訳ないような、気恥ずかしいような……さりとて、これが威風堂々、天を指して屹立していたりしたら、それはそれで、気まずいだろうし。
などと馬鹿なことを考えている間に、処置は淡々と進み、作業終了。もちろん、新人さんは、眉ひとつ動かすこともなく、きちんと処理してくれました。
やれやれ。

それにしても、新人のYさん、美貌のうえに、アイドル顔負けの小顔で、スタイル抜群。きっとこれから、循環器入院患者の男性諸氏が、胸をときめかせる「白衣の天使」になることでしょうね。
いや、しかし、心臓で入院してるのに、ナースに胸ときめかせちゃったら、まずいんじゃないのか!?


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