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2月18日に慶応病院を退院してきて、家でゴロゴロ過ごしていると、戸川安宣さんからお電話がありました。 明日、お知り合いのお葬式があって、そのあと吉祥寺に行くのだが、途中でお昼でも一緒にいかが、というお誘いです。じつは今朝退院したところで、とお話しすると躊躇されている様子でしたが、なぁに平気平気、とこちらが強引に押し切るかたちで、翌日のお昼にお目にかかる約束をしました。 戸川さんとお会いするのはtrick+trapのクリスマスパーティ以来だから、2年2ヶ月ぶりですか。そのあと戸川さんが思わぬ怪我で入院され、その後遺症でさらに2度の入院手術になったのですが、それがtrick+trap閉店の少し前だった。というか、身体にダメージを負われたことが閉店のひとつの理由にもなったとお聞きしています。 ところが戸川さんが都合3度の入院をされた病院というのが、な、なんと…はい、そうなんです、前からこのブログを読んでくださっている方々なら、すぐおわかりですね…慶應大学病院。しかもしかも、あとの2回の入院で入っていらした部屋が「新棟」の6階!というからおどろきました。だって、それ、私が前日まで入院していたところなんですから。 この歳になると、友達と会っても、身体のことや病気のことがどうしても話題になります。50も半ばになって、どこもわるくない、まったくの健康体だなんてヒトは、まずいませんもの。それが同じ病院に入っていただけじゃなく、病棟も同じ、階も一緒となれば、これはもう病院話で盛り上がるのも無理はない。 まあその内容は、このブログでもたびたび書いていることなので省略します。ただ、今まで自分が健康体だったときは、ひとの病気話を聞いても「ふーん、たいへんだなあ」くらいの感じでしたが、自分も大病してみると、いやー、じつに身にしみてよくわかりますね。 若い頃、山村正夫さんや中島河太郎さん、天藤真さんなどが健康の話を交わしているのを、なんだか爺くさいなー、などと思っていたものですが、気がつけば自分がそうなっている。 さて病院話のあとは、ネット書店となったtrick+trapの話、成蹊大学に戸川さんが寄贈されたミステリ関係書籍5万冊のデータベースを作っている話、台湾に行かれた話など、近況をお聞きしました。 台湾のミステリ事情のお話はおもしろかったのですが、振り返ってみると、ミステリの話題はそれだけだったかな。なにしろ前半は病気ネタばかり話していたもので、時間が足りなくなってしまった。 戸川さんは私のミステリの師匠なので、お会いするといつも、近刊で良かったものを薦めていただいたり、私の読んでいない古い本のことや、出版業界の裏事情を教えていただいたりと、話はいつのまにかミステリ講義の様相を呈します。これはほんとうに得難い幸運で、そんなお話のなかからヒントを得たり、目が開かれたりということはよくあります。 余談ですが、戸川さんのお家は、江戸時代は大身のお旗本だったんですよね。幕末の歴史書にも「戸川安宅」という人物が、勝海舟や小栗上野介などとともに登場しています。たしか禄高は三千数百石で、お屋敷が今の飯田橋駅付近にあったとか。 そういえば東京創元社があるのも飯田橋に近い。もしかしてご先祖に呼ばれたのかな、なんて話をしたことがありました。 似たケースはもうひとつあって、私が『剣と薔薇の夏』を書くとき取材した方に小栗三沙さんという女性がいます。小栗上野介の子孫に当たられる、いまの小栗家当主ですが、この三沙さんがお若い頃、主婦の友社にお勤めになっていたことがある。ところがなんと、上野介の屋敷があったのが、この主婦の友社のある辺りだったというのです。偶然で片付けてしまうには、お二人のケースとも、なんとも不思議ですね。 …あるとき家で、「戸川さんのお家はお旗本だった」という話をしていて、「もし江戸時代に出会っていたら、オレなんか座敷にも上がれないで、庭先で土下座してたんだろうなあ」と笑っていたら、家人がこう言いました。 「あんたなんか、その前にお手討ちにされてるよ。年貢を15年も納めなかったんだから」 …お目にかかったのが、現代でよかったです、はい。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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trick+trapには数年前一度行ったことがあります。 |
石ころ 2008/03/16 00:19 |
trick+trapにいらしたことがあるのですか。私は月に1回…までは行ってなかったかな。3ヶ月に2回くらいの頻度で通っていたと思います。あのころ買い求めた本でまだ未読のものが残っているんですよね。 |
戸松淳矩 2008/03/16 22:02 |
お気遣い有難うございます。 |
石ころ 2008/03/17 00:18 |
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