ミステリー作家戸松淳矩 あさっての日記

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<<   作成日時 : 2007/03/19 05:41   >>

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またも始まった新シリーズ企画、「マイ・ティーチャーズ」。このシリーズは、各方面の、豊富な知識と見識を有する「私のお師匠さんたち」をご紹介し、愚生がどんな方々に常日頃薫陶を受けているかをご紹介していこう、という、たいへん文化の薫り高いものです。…なわけ、ないじゃん。仕事の合間やら終わり際やらに書くブログでまで、そんなにカタいもの書きたくないわい。

 いえ、ときにはマジメにも書きますよ。たとえば私のミステリーの師匠といえば、亡くなった山村正夫先生と、言うまでもなく戸川安宣さん。このお二人については、これは本当のティーチャーですから、真面目に書かないとバチが当たります。でも、口開けの今回はカルいお話。

 趣味と言えるほどではありませんが、音楽はわりと聴いています。執筆中のBGMはかけませんが、始める前とか、休憩にはぼんやり聴いていることがよくあります。でも音楽というものは、けっこう囲い込まれることが多い。つまり、決まったジャンルの決まった時代のものばかり聴く、ということになりやすいんですね。小説で言うと、赤川次郎しか読まないとか、吉本ばななしか読まない、という読者がいるのとおんなじです。
 で、クラシックの話はおいといて、ポップスだと、とくにそうなる。決まったアーティストしか聴かないうえに、新しいものがだんだん苦手になっていく。そこで、この方面について指導をお願いしているのが、某ポップス系音楽雑誌の編集者M嬢。M嬢って言ったって、ロープで縛られたりムチで叩かれるのが好きな人じゃありません。「まなみ」さんだからM嬢です。

「最近だと、だれ、聴いてますぅ?」とMさんは顔を合わせると、必ずこう言います。
「うーん。…平原綾香かな」
「この前も、その前もヒラハラだったじゃないスか。ヒラハラのほかには、誰も、聴いてないんですかあ?」
「…ZARD」
「あのー、ZARDって、1990年代初めのデビューですよぉ。最近じゃないじゃないスか」
「じゃ、島谷ひとみ」
「あのさあ、それって、音楽性で選んでないでしょ。ビジュアルで選んでません? その3人て、音楽性はほとんど共通してないし。しかも、みんなオヤジ好みだし」
「えっ。そうかな」
「そうですよー。だいぶ前は森高なんて言ってたでしょ。モロ、オヤジ路線ですよ、それ」
「じゃ、どんなの聴けばいいのかな」
「そうスねー、そうだ、WaTって知ってますぅ?」
「蒸気機関、発明した人でしょ」
「なーにボケてんですか、もう。今どき蒸気機関なんか発明して、どうしようって言うんですかあ。違いますよ、ウエンツと徹平だからWaTって言うんです!癒やされますよー、絶対。癒し系アイドル、ナンパーワン」
「だって、それ、男だろ。男のアイドル、きらいだもん」
「でもSMAPとかTOKIOとか貸してあげたら、けっこう聴いてたじゃないスか。KinKi Kidsも」
「……まあ」
「WaT、聴いてください。今度持ってきますから。惚れちゃいますよ」
「…惚れはしないと思う」
「それから、女性シンガーは顔の好みで選んでちゃ、ダメですよぉ」
「だったら、どうやって選べばいいの」
「そうスね、それじゃ、とりあえず天童よしみなんか、どうスか」
「…て、天童よしみって…。それに、演歌じゃん、あの人」
「でなきゃ、ディオンヌ・ワーウィックとか」

 それって、逆の意味でビジュアルで選んでないか? なんか、迫力あるオバサン、てなくくりで。…かくして、Mさんは、今度会うときにはWaTと天童よしみとディオンヌ・ワーウィックを持ってくる、と意気揚々と引き揚げて行ったのでありました。
…音楽性、高まるのか、それで。ますますワケわからん方向に進んでないか?
 一抹の不安を抱きつつ、真夜中に着信することの多いM嬢のメールにおびえる、今日この頃なのでありました。

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