60才以上限定新人賞

1月15日、講談社で「ベテラン新人を発掘する」という新しい公募新人賞の発表と説明会があったそうです。対象は60才以上の新人で、ジャンルは本格ミステリー。島田荘司さんの肝煎りだということで、説明会には島田さん自ら登場されたようですね。

私は人づてに聞いただけなので、くわしいことは講談社の係宛にお尋ねになっていただくとして、印象をひとことでいえば、新人賞としては目の付けどころのいい、おもしろい企画だと思います。
締め切りは7月15日、枚数は400字詰め換算で、350枚以上550枚まで。たしか乱歩賞がこの規格だったのではないでしょうか。最近の乱歩賞のことは知らないので、よくわかりませんが。選考には島田荘司さんが当たられるとのことで、当選作はノベルスとして刊行されるようです。

締め切り日現在で60才以上という条件ですから、私などはまだ該当しませんね。しかし今後も続けていく予定らしいので、数年経つと、私と同学年の新人作家が登場するかもしれません。
これをお読みの方のなかに条件のあう方がいらっしゃったら、チャレンジしてみてはいかがでしょう。定年後は悠々自適の印税生活、なんて素敵だと思いますよ。ただし印税だけで食える作家はほんの一握りですけど(泣)。

じつは私の古い友人にも、若い頃から非常に文才に恵まれていた男がいます。こいつが本気で小説を書いたらとてもかなわないだろうな、と私などは早くから畏怖しておりましたが、某国立大で経済学を学んだ彼は、いまでは誰でも知っている某大企業で重役のポストについています。
小説もかなり読んでいるようだし、「書いてみる気はないのか」と何度か尋ねてみたところ、返ってくる答えはいつも「時間がない。リタイアしてから趣味としてならやってみたいけど」。まあ、そうでしょうね。ビッグ・カンパニーの要職をつとめながらプロの作家としてやっていくなんて、人間業ではありません。音楽界でいうと超人・小椋佳みたいなものなんだろうし。

しかし、もし彼のような才人が全国に何人も、何十人もいてその気になれば、出版界にとってかなり期待できるのは確かでしょう。反面、私なんかは仕事がなくなってしまいそうなので、悩ましいところですが。
ただ私は文芸ジャンルに限っては、原則、「野に遺賢なし」と思っています。ですから島田さんが期待されるほどの天才(つまり島田荘司クラスの)が現れるかどうかについては悲観的です。それほどの大才なら、その才能自体が何とかエネルギーを形にしたい、思うさま力を発揮したいと、じっとしていられないほどの欲求を抱くはず。出版界にもまた、それを見抜く慧眼の士は必ずいると思うからです。

けれど何十年に一人の大天才はともかく、その年度でトップクラスの有力新人なら、この世代から生まれる可能性はかなりあると思いますよ。
還暦まで世間でまじめに仕事をしてくれば、専門知識も変わった経験もあるだろうし、小説に書いてみたいネタのいくつかは必ず持っているはず。

ひとつだけ杞憂を承知でよけいなことをいえば、知識や経験が豊かなだけに、うっかりすると小説がそこに寄りかかりすぎるかもしれない。それだけが心配といえば心配です。ま、それも才能次第なのでしょうが。森村誠一さんみたいに、スタートはホテルマンとしての専門知識満載の作品でおどろかせても、どんどん小説世界を広げていった作家は何人もいますからね。

ともあれ、またひとつ、楽しみができたことは間違いありません。7月締め切りだから刊行は来年になるでしょうが、期待して「ベテラン新人」の登場を待ちたいと思います。……とはいうものの、ロートル・遅筆・なまけ者とマイナス三拍子揃った私としては、ますます窮地に追い込まれそうだなぁ。とほほ




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