(元)ミステリー作家T・A  あさっての日記

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zoom RSS 「終戦のマグノリア」評価のまとめ

<<   作成日時 : 2015/12/10 16:23   >>

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恒例の年末ベストテンも出そろいましたので、今年新刊の拙著について、世の中の評価をまとめてみたいと思います。結論は「一部専門家に評価されるものの、一般には見向きもされず」といった感じでしょうか。

まず刊行後のメディアの扱いですが、既述したように、すぐに朝日新聞の大阪本社文化部からインタヴュー取材の申し込みがあり、続いて東京新聞コラム「大波小波」が取り上げて紹介してくれました。
そこで、これは幸先がいい、と喜んだのですが、結局、ほかの新聞・雑誌メディアでは「本の雑誌」で円堂さんが紹介して下さったのみ。
ネットの書評ブログでも、何人かの方に好意的に評価していただきましたが、私の確認できたのは五人にとどまります。

ではベストテンはと言いますと、これがまた情けない。
早川の「ミステリが読みたい!」では、得票数2票で圏外。投票してくださったのは末国さんと小山正さん。4票くらい集めないと20位には入れないので、遠く及ばず。
週刊文春では、得票数がわかりませんが、これも圏外。
最大手の「このミス」でも、投票していただけたのは小山さんのみの1票。

というわけで、まあ惨敗と言ってよいかと思います。
もちろん、マスメディアやベストテンの評価がすべてではありませんし、私自身、読者として本を評価するときは必ずしもそうした世評と意見が一致するとは限りません。
たとえ少数でも、高い評価をしてくださる方がいらっしゃり、おもしろかったと言ってくださる読者がいらっしゃるなら、それでよいとも思います。

しかしながら、趣味ならばともかく、事業としてはこれでは成り立たない。
現に、この本は今までで最少の発行部数でしたが、三ヶ月が過ぎて、未だ重版がかかっていません。出版社サイドから見ると、おそらく採算が取れていないのではないかと思います。

今回の作品は、アイデア的にも自信のあるもので、構成や文章にも力を注ぎました。さらに終戦70年という好タイミングでの発刊ともなり、自分なりにベストを尽くしたと思っています。

それやこれやを思い合わせますと、そろそろミステリー分野から身を引くべき潮時なのかな、と考える今日この頃です。

ただそうなると、このブログもこのまま、というわけにはいきませんよね。タイトルからしておかしいわけだし。
一応、来年3月で10周年(すみません、調べたら9周年でした)になるはずですので、そのへんで…と考えているのですが。

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コメント(4件)

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ランキングがどこまで信用できるかは怪しいものだと思っています――読後「これがこのミス1位!?」なんてこともちょいちょいありました――が、売上に繋がるのは間違いないですものね……。

しかしもうミステリーを書かれなくなるかも知れないというのは残念です。確かまだ刊行を控えている作品もあられるのですよね?
決めるのはそれからでも遅くはないのではと……僭越ですが。
石ころ
2015/12/16 22:27
いつもながらコメントありがとうございます。
この件については、いずれもう少し詳しいご報告をさせていただくつもりでおります。
もちろん、ランキングやメディアの評価だけで判断するわけではありませんが、エンタメは芸術作品とは違って、やはり多くの読者に読まれ、たくさん売れないことには、存在価値を問われるところがあります。
ミステリーからすっかり離れるかどうかはわかりませんが、今までのような形では、むずかしいだろうと思っております。
未使用のネタはまだ残っているし、ペンディングされている長編もあることはあるのですが、さて……。
戸松淳矩
2015/12/17 00:36
 読後感は良かったです。
私は、ミステリにおける文体について、考えているのですが、純文学と言われるもの(私が読むのは最近作ではなく、ほとんどが物故作家なのですが)との、落差があまりにも大きくて、がっかりしています。
 その点、先生の作は、あまり落差を感じず、その点が昨今のミステリの評価が高いものとの違い(売れ筋)があると思います。
 新人賞もほとんどが、青春小説かと思われる物(登場人物の年齢)で、中高年のミステリファンからは見放されて(もっとも、中高年は小説など読まないかもしれませんが)いると思います。
 でも、プロの作家はそれで飯を食っているので、ベストテンは大事なのですね。読者であるわたしには伺いできない世界です。
 純文学作家と言われる作家さんたちが、ミステリの分野に流れ込んでいるのにも、違和感を感じております。
 佐野洋・土屋隆夫、北森鴻が逝き、樋口祐介は時代小説で生き残りを賭けているのか……。
 隠れファンがいることを忘れずに筆を折るなどということは言わないで、頑張って欲しいです。
眠り兎
2015/12/22 09:59
ご丁寧なコメント、ありがとうございます。
じつは私もミステリーの文体にはわりと意識的でして、純文学作家の文体を参考にさせてもらっています。よく読むのは、やはり第三の新人から内向の世代あたりで、年齢的に近い現存作家はあまりピンと来ませんね。その点、感覚が古いのかもしれません。「マグノリア」でも若い編集者には、表現や動作が古いとだいぶやっつけられましたし(笑)
なので、私の考える良いミステリーと、現在のミステリー界隈のそれが違っているのかもしれません。もともと受賞作のときから、そんな評価ではありましたけれど。
ただ純文学作家、たとえば奥泉光さん、吉田修一さん、中村文則さんなどがミステリー的な分野に参入されるのは、ミステリーの文体をレベル上げする意味では良いことだと思っています。
ベストテン云々はひとつの指標に過ぎないので、とくにこだわりはありません。けれどある程度読まれないことには、事業にならないのが悩ましいところです。
筆を折るつもりはありませんが(文章を書いて架空世界を構築する、というのは私の最大の趣味ですから)、ミステリーは大変労力を要するので、私の能力では、構想・取材・資料調べ・構成・執筆とほぼ一年がかりになります。その方向性が世間の求めとズレている、書いても読まれない、ということになると、やはりこの路線を続けるのはむずかしいのかな、と感じています。
まあ、もうしばらく、あれこれ考えてみたいと思います。
戸松淳矩
2015/12/22 20:18

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