(元)ミステリー作家T・A  あさっての日記

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zoom RSS 「私がデビューしたころ」 東京創元社

<<   作成日時 : 2014/07/18 12:52   >>

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六月に『私がデビューしたころ』という本が、東京創元社から刊行されました。
ミステリ作家51人のデビューに至る経緯や、その苦労話などを収録したもので、もともとは雑誌「ミステリーズ!」に連載されていた記事をまとめた体裁になっています。

デビューの年は1949年(昭和24年)デビューの土屋隆夫さんから、2006年の大崎梢さんまで。なんと半世紀以上に亘っています。
じつはそのなかに、不肖私の書いた記事も、載せていただいているのです(冷汗)。

なんで冷汗ものかと言いますと、デビューの順番でいくと、私の前が笠井潔さん、その前が今野敏さん。
そして私のすぐ後ろが逢坂剛さん、次に太田忠司さん、さらにその次が島田荘司さん。

いやはや、私自身がいちばんびっくりしましたですよ。
私って、逢坂さんや島田さんより先輩だったのかよ!
大ベテランじゃん!
ミステリ界の大御所じゃん!
しかも実年齢はこのお二人より若い!すごいことですよ、これは!

…いや、よく落ち着いて考えてみると、それだけの長いキャリアがありながら、未だに著作が5作しかないって、
どういうことなんだ?
あ、でも6作めはもう書き上げて、担当編集者にまわっているんですけど。
それにしたって1979年にデビューして、今年で35年めじゃないの。
35年で6作しか書いてないって、6年に1冊ペースかよ。
オリンピックより間隔があいてるじゃんか。おまえは参議院選挙か!

と、まあ一人ツッコミしたくなるほど、おどろきましたわ。

しかし自己弁護しておくと、私には1981年から2004年まで、足かけ24年間の空白期間があるのですな。この本に収録された記事にも、そのあたりのことをメインに書いてみました。
なので35年から24年を引くと、実働は11年。
まだまだ若手じゃないですか。あと4、5年続ければ、やっと中堅というところだ。

自分の記事はゲラでも読み返したので読んでませんが、
パラパラ読んでおもしろかったのは、やはりお話ししたことのある方々のデビュー秘話で、綾辻さん、法月さん、有栖川さんには、いちいち「あー、そうそう、そうだったんだよねー」とうなずかされ、宮部さんのお話には「えっ、あの話って、そういうことだったのか!」と改めて納得。
そして極め付きが北村薫さん。

北村さんが当初は覆面作家だったのは有名ですが、これは自慢できると思うけれど、私は北村さんのデビュー作を読んですぐ戸川さんにお目にかかったとき、
「この作品は女子大生の一人称になっているけど、作者は絶対、四十代以上の男性ですよ」
と、推理を披露しているのです。
当時の北村さんは四十代前半だったはずなので、すばりビンゴ!
戸川さんは「ほう…」としかお答えになりませんでしたが、おどろかれているのがお顔でわかりました。
じつはこれにはウラがあったのですが、そんなこんなを思い出して、とても懐かしくなりました。

あと、坂木司さんや大崎梢さんも、デビューの事情はよく知っています。大崎さんのケースなんか、たぶんご本人より先に知っていたんじゃないかな。

こうしてみると、私のミステリ業界知識って、ほとんど戸川さん経由なんですね。
で、この本の序文を書かれているのも戸川安宣さん。
そりゃそうでしょう。
ここに寄稿している作家の多くが、戸川さんの手でデビューさせてもらったり、本を作ってもらったりしているのですから。
それにしても北村さんが戸川さんを評して「名前は安全宣言の略ではない。編集者としては、数々の冒険をなさっている」と書かれているのには爆笑しました。

――戸川さんのいちばんの冒険はね、あんたに書かせたことだよ
家人はそう申しておりましたが、ハイ。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
ご無事だったのですね!
長く更新が途絶えていたので最悪のケースもあるかと半ば覚悟いたしておりました。
お元気そうで何よりです。

「私がデビューしたころ」面白そうですね。チェックします。
石ころ
2014/07/22 17:21
石ころさんのコメント(特に前半)に全く同じです。こちらのブログは病気ネタも多いですから…
若月
2014/07/22 19:46
ご心配をおかけして申し訳ありません。
最悪のケース…って、死んじゃったとか?(笑)
体調は大きな変化はありませんが、精神的な煩悶に陥っておりまして、ブログを書く気分になれませんでした。といっても、家庭に不幸があったとか(昨秋は溺愛していた愛犬を失いましたが)、失恋したとか(そういう世界からも遠ざかっちゃったなぁ…)ではなく、おもに小説の創作上の悩みです。
新作はすでに今年初めに編集部に渡し、手直しも終えていますが、それとは別に大きな問題にぶつかって、じつは今もまだ解決しておりません。
しかしあまり長く放置していると、何かあったかと無用なご心配をおかけするかも…と思い、「渡しがデビューしたころ」が出たのをきっかけに再開してみたというわけです。
何を考え込んでいるのか、これからどうするのかは、いずれ時期が来ましたら、ご報告いたしたいと思っています。
まあ、その次の原稿も初稿は書き上げてありますので、創作そのものに行き詰まっているわけではありません。
占い師によると、私の寿命は2027年5月まであるそうなので、しばらくは大丈夫そうです(笑)
戸松淳矩
2014/07/22 21:55

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