(元)ミステリー作家T・A  あさっての日記

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zoom RSS 連城三紀彦さん

<<   作成日時 : 2013/10/25 07:32   >>

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10月19日にお亡くなりになったとのことですね。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

連城さんとの一読者としての出会いについては、以前に「白光について」という記事で、書いたことがあります。1970年代の終わり頃、雑誌『幻影城』の新人賞でデヴューされた当時から、めざましい才能の作家として注目していました。
正直いうと、ペンネームを初めて見たときは「なに、この女ウケしそうな名前!かっこつけてんじゃねーよ」と思いました(笑)。ところがお写真を拝見したら、それがまた女ウケしそうな、いかにものアンニュイな文学青年でイケメンだった!当時はイケメンという言葉はなかったけど。

初期の頃は、ミステリーの出来もさることながら、文章のすばらしさが際立っていましたね。未だに、連城さんほど文章の上手いミステリー作家は出ていない。
叙情的で、美しく、なおかつ緻密で無駄がなく、引き締まっている。
特に「戻り川心中」、直木賞作の「恋文」など、初期の作品にその特質が発揮されています。

連城さんのミステリーの代表作といえば、初期・前期の短編と、中期の冒険小説『黄昏のベルリン』、そしてもっとも連城文学の全体像を凝縮した『白光』、さらに晩年の画期的な誘拐もの、『人間動物園』『造花の蜜』ではないでしょうか。
ただ、後期の誘拐ものなどは、ミステリー色を強めたぶん、文章の密度は落としてあります。
素材により調理法を変えている、ということでしょう。それが相まって効果を発揮しているのが『白光』というわけです。
――なお『白光』については前出の拙記事をごらんいただければ幸いです。

とにかく、小説としても完成度の高いミステリーを書こうと志す者にとっては、連城さんは仰ぎ見る巨大な嶺でした。
ただ悔やまれるのは、作品の高品質さにセールスや世評が釣り合っていなかったような気がすることです。
もっともっと多くの読者に迎えられ、高い評価を受けるべき作家でした。
今後は、末永く作品が伝えられてゆくことを念じてやみません。


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コメント(2件)

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連城さんの本は「人間動物園」「造花の蜜」と、あと短編集を1冊読んだだけだったと思いますが、確かに似たような作風というか、文章を書く人というのはほかにちょっと思いつきません。
造花…はドラマ化もされたようですが、あまり話題にならなかったのかなー(未見ですが、最終章はどう映像化したのか)。死去をきっかけに、というのも寂しいですが、作品に光が当たるといいのですが。
若月
2013/10/28 19:37
そうですね。私はミステリー作品のそれも半分程度しか読んでいないので、全体像を語る資格はありませんが、あの文章力が創り出す雰囲気は独特でかつハイレベルだと思います。非ミステリー作家でも、あれだけ力量のある人はあまりいないのでは。
「造花の蜜」のドラマは未見です。映像なら構成的に最終章はなくてもいいかもしれませんね。どこかの社で、文庫版でもいいので、傑作を編んだ連城選集くらい出してほしいと思います。
戸松淳矩
2013/10/29 06:37

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