(元)ミステリー作家T・A  あさっての日記

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zoom RSS 拙著へのすてきな書評(続き)

<<   作成日時 : 2013/03/16 10:23   >>

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この際、ずうずうしく開き直って、自著宣伝の続きです。
ほんとをいうと、ひかえめで奥ゆかしい性質の私(…って、自分で言うか)は、こういうことはあまり好まないのです。

でも自分の本は子どもみたいなもの。子どもが褒められると、親はやっぱりうれしくて、ついニヤニヤしちゃいますよね。そんなわけで、もう一回だけ、愚かな自画自讃をどうぞご容赦ください。

ところで、「自画自賛」てのは、もともと自分で描いた絵に、自分でそれを褒め称える詩を書き付けることだそうです。むかし、水墨画などの時代、画家がみごとな風景画を描くと、文人がその絵に似合った漢詩を添えた。この詩のことを「讃」といった。なので、自分の絵に自分で讃をつけるような目立ちたがり・自慢したがりな行為を「自画自讃」というのだとか。…へへ、私って、物知りでしょ。って、だからそれが自画自讃だって。

さて、閑話休題。
今回ご紹介するのは「満喫☆読書ライフ」というブログ。fuyoさんとおっしゃる、神戸にお住まいの三十代女性がお書きになっています。
以下、引用します。

《偶然出くわした遺体からキャッシュカードを頂戴した朋也。
生来の虚言癖のおかげで、負債に負債を抱えていた彼は、そのカードで現金の引き出しに成功する。
一度きりと思っていたものの、止められる気配のない口座から何度も現金を出す朋也は、ある時その口座の残高が増えていることに気が付いた。

振り込んでくるのが誰なのか、と身分を偽り倒して調べていく朋也パート。そしてその亡くなった今枝が所属していた文芸サークルの会員の一人、小動の独白パート。

この二つが交互に出て来て物語が進んでくんだけど、確かに朋也が調査に行く先にはそのサークルもあるんだけど、それぞれのパートが全く別の方向を向いてるもんだから、それがいったいどこでどう一本になるのか?と不思議な気持ちのまま読み進めておりました。

っつっても、朋也は朋也で自分の自尊心を満たす為、呼吸するように次から次へと嘘を繰り出すものだから(法律事務所のアシスタントだとか)、その見事さと危うさにハラハラドキドキし。

小動パートは、サークルでの今枝の存在に触れながら、段々と「…ん?」という展開に。
ある一つの決定的な事柄が明らかになった時なんかは、あまりにサラッと、まるでそれが当然のことみたく書いてあったもんだから、通り過ぎてから「ん?何て何て!ちょ、もっかい言って!」とページを行きつ戻りつしてしまいました。それくらいビックリしたのよさ−。
その辺りから、二つのパートが重なり始めたかな。

タイトルは明らかに朋也のことを言ってるんだけど、未必の故意的にもう一個の方も言ってる?大儀の意味では含まれる?な感じで。

でもあれだけ嘘つくのに頭の回転が早いなら、ホントにちゃんと勉強すれば良いのに!とか思ってしまったり。
計画するだけでやった気になるっていうのも分からないではないけどさ(笑)。

蛇足ですが、大体私小説読むペースって1時間で100ページなんだけど(他の人どれくらいなんだろう)、この小説、かなり文字数みっちりだったので、1時間でも60ページくらいしか進みませんでした(笑)。
文体が読みやすかったので、サクサク進んでるつもりだったんだけどなー(笑)。》


もう、目の前にいらっしゃったら、
「よくぞ読んでくださいました! そのとおりなんです! 貴女の言われるように、そんなふうに読んでいただきたかったんです!」
と熱烈握手して、思い切りハグしたい(それ、セクハラだって!)。
そのくらい、うれしいです。

「サラッと、まるでそれが当然のことみたく書いてあったもんだから」という、その部分は、私もけっこう仕込みに自信があったところなのです。あそこでおどろいた、と言ってくださる方もかなり、いらっしゃいました。
法月さんはさすがに、その2章前で気がついた、とおっしゃっていましたが、まあプロ中のプロですから、これは仕方がありませんな。

あと、「文体が読みやすかった」。
いやあ、これもうれしい。私は何を隠そう、『剣と薔薇の夏』では、ある批評家に「これはエンタメの文体ではない」とまで言われ、「読者に負担をかけすぎる」とまで叱られてしまいました。
自分では、「翻訳ミステリーにはこのくらいの密度の文体はいくらもあるじゃん! これで負担なら、翻訳物の大作なんかゼッタイ読めんだろ」と思っていましたが、その後も「つらかった」「挫折した」という読者の声があったので、今回はそーとー自制して、読みやすくしたつもりでした。
それでもまだ「きつかった…」と言われる声が聞こえてきたりして、次作はもっと易しく、余白の多い文章にしなくてはならんのか、とちょっとがっかりしたりもしていたんです。
そりゃ、もちろん、小説も商品ですから、お客様の声を無視するわけにはいきません。趣味で書くなら、自分の好きなように書いていられますけどね。そこがつらいところです。
しかし、「読みやすかった」と言っていただけると、

――おおっ! わかっていただける読者もいらっしゃるんだ!

と、鬱々としていたものがスッキリと晴れ渡る気分。

それにしても小説の好みというのは千差万別で、なかなかむずかしいものですよね。

ともあれ、「fuyo」さんには、とても大きな元気の素をいただきました。ありがとうございます。
店員一同、次回のお越しをお待ちいたしております。今後とも、ぜひご愛顧のほどを(…一同って誰だよ)。

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2013/07/10 01:03

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